制作年:2013年
原作:宮部みゆきさん作 『誰か somebody』、『名もなき毒』
脚本:神山由美子さん
主題歌:近藤晃央さん 『あい』
プロデューサー:橋本孝さん、鈴木早苗さん、橘康仁さん
演出:竹村謙太郎さん
1.あらすじ
杉村さんに何度もかかってきていた無言電話の正体は、昔トモノ玩具で働いていて、梶田さん(平田満さん)と同じ時に会社を辞めた野瀬祐子(伊藤かずえさん)という女性でした。彼女はぽつりぽつりと梶田さんとの関係について語り始め、聡美さん(深田恭子さん)の誘拐事件の真実が、遂に明らかになります。ところが、「毒」の伝染は止まることなく…。『名もなき毒』の第一部、衝撃の最終話です。
2.感想
今回は杉村さんの父親としての姿が必見の回でした。梶田さん(平田満さん)への恩返しのためだけではなく、娘を持つ一人の父親としても梶田姉妹のことを心配し始めていた杉村さんが、二人に迫る魔の手から姉妹を守ろうとします。ところが、見えないところに潜んでいた「毒」に、孝太郎さんが襲われてしまいます。いつも物静かな杉村さんが感情をあらわにするシーンにも注目です。『名もなき毒』第一部、『誰か somebody』の急展開の最終回でした。
孝太郎さんの「あなたがいらっしゃるところから、空は見えませんか」、とても良い台詞でした。電話を切った後の野瀬さん(伊藤かずえさん)の気持ちを気遣った杉村さんの一言が、心にじんわりと染みました。どんな慰めの言葉よりも温かみのある、素敵な言葉でした。「なぜもっと自分を大事にしないんですか」の気迫もすごかったです。温厚な杉村さんがあんなに声を荒げていて、杉村さんの真剣な気持ちがひしひしと伝わってくる、良い場面でした。
水津町のシーン、事実と反したことで責められる杉村さんを見て、胸がすごく痛みました。間違ったことをしている人たちに、自分の生き方を間違った見方で解釈されて、一番ひどい方法で言葉を投げつけられた杉村さんの狼狽と絶望が、孝太郎さんの目線にくっきりと浮かび上がりす。走り去る車を見送る孝太郎さんの表情に、杉村さんの苦悩の全てが表されていました。菜穂子さん(国仲涼子さん)と桃子ちゃん(矢崎由紗さん)と一緒に歩いていたシーンは、張り詰めていた心が柔らいでいきました。孝太郎さんが一瞬見せたほっとしたような、泣きそうな表情も、孝太郎さんの才能がほとばしる注目ポイントです。
他にも今回は沢山見どころがありました。梶田さん(平田満さん)の「だから、代わりに俺が守ろうと思ってるんだ」、感動的なシーンでした。このお話を聞いて、梶田さんがなぜあの「おめでとうございます」を言ったのかが、少しだけ分かるような気がしました。聡美さん(深田恭子さん)の「あなたも好きに生きなさい」の決意に満ちた表情、とても良かったです。聡美さんの中で色々なことが吹っ切れていた感じがして、これからも明るい人生を歩んでいってほしいな、と思いました。六話も楽しみです!
3.孝太郎さんのイチオシ!スマイル
今週も恒例の孝太郎さんのイチオシ!スマイルを発表したいと思います。今回は孝太郎さんが「はい、チーズ」とおっしゃるシーンです。はじけるような爽やかな笑顔にきゅんとします!杉村さんの「あおぞら」編集者としての姿が見える、貴重な場面でした。生き生きと取材をしている孝太郎さんを見て、楽しい気持ちになりました。皆さん見つけられるでしょうか?
まとめ
最後まで読んでいただいてありがとうございました!今回は今までのお話の中で一番「毒」を色濃く感じた回でした。辛いお話も多い中で、孝太郎さんの明るさのおかげで楽しく見終われました。杉村さんについても、孝太郎さんの今回の演技を見て、また新たな一面や胸の中に抱える思いの一部を知ることができたような気がします。
五話で遂に『誰か somebody』が終わりましたが、ラストで何やらまた事件が起きそうな気配が見えました。第二部、『名もなき毒』ではどんな事件が待ち構えているのでしょうか。グループ広報室の新しい仲間について知りたい方や、次の事件にどのように杉村さんが関わっていくのか気になる方、是非六話もご覧ください!
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